三菱地所が都内某所で運営するメンバーシップ制プライベートクラブ。その内部にあるBook Barの本棚を演出・制作しました。利用者は各分野の第一線に立ち、未開の領域を切り拓いている方々。普段目にしない多様なジャンルの書籍を通して、彼らに新しい智慧(ちえ)との出会いの場を創出しました。
※このスペースは会員の方のみ利用可能です。
この本棚では、時折、灯から光の粒がふり注ぎます。空間には機材の姿は見当たりません。光は木柱の表面を伝い、文字に姿を変え、文章となって訪れる人に訴えかけます。見通しの悪い未来を照らすような先人の言葉や人生の愉しみ方のヒントが差し出されます。
昔から仏教をはじめとする様々な分野で、光は智慧の象徴でした。情報をそのまま差し出すのではなく、あたたかな光をモチーフに演出。柔らかな木目から染み出し、人の琴線に触れる心地よさを伴わせました。
朝/昼/晩の時間、日にち、季節で多様にコンテンツが変化し、利用する度に新しい情報に触れられるよう設計。あるときは、本から抽出した先人の言葉などの一節「アフォリズム」が投影されます。また、あるときは、いまの季節とその愉しみ方を教えてくれる「今日のこよみ」。さらには、軽快なアニメーションと効果音でリスが時を告げる、鳩時計ならぬ「リス時計」も出現します。
アフォリズム 〜名著の一節〜
小説、エッセイ、漫画、アート本、料理本、写真集…BACHが選書した様々なジャンルの本から抜き出した一節。蔵書位置やページ数も合わせて表示し、本との出会いのきっかけに。
今日のこよみ 〜二十四節気 七十二候〜
東風解凍、桃始笑、土潤溽暑、楓蔦黄…美しい日本の72の季節「七十二候」の言葉たちを中心に、俳句、旬の食べ物、花、行事などを文章とビジュアルで紹介。
リス時計
本棚の木材=ウォールナット(クルミの木)から登場したリスが時を告げる。過去に中国や日本の美術界で「多幸」「多産」の象徴だったこともあり、縁起物としての意味も込めた。
CREDITS
- Book curation/Producer
- 幅 允孝(BACH)
- Creative Director
- 佐藤 文彦(Flowplateaux)
- Art Director/Designer
- 中村 佑人(MARUKAJIRI)
- Designer
- 新津 理仁(MARUKAJIRI)
- Programer
- 塚本 裕文(Flowplateaux)
- Projector Coordination
- 岸本 智也
- Animation
- CALF